「祐天寺 賃貸 仲介手数料無料」を探すときの結論
結論から書きます。仲介手数料が無料になるかどうかは物件ごと・仲介会社ごとの募集条件で決まるもので、発掘不動産はその一覧を持っていません。持っていないものを持っているように書くつもりはありません。代わりにお伝えできるのは、同じ祐天寺エリアでも番地によって成約価格が1割から2割ちがうという事実です。
宅建士として補足すると、賃貸の仲介手数料は宅地建物取引業法で上限が決まっており、貸主と借主から受け取れる合計は賃料1ヶ月分と消費税相当額までです。つまり「無料」「半額」は、仲介会社が受け取る報酬を自ら減らす販促であって、上限を超えて何かが起きているわけではありません。
ここで押さえておきたいのは、次の対比です。
- 仲介手数料の割引は、契約時の一度きり。効果はその1回で終わります
- 家賃は、住んでいる限り毎月続く。契約期間が延びるほど差は積み上がります
そして家賃の側には、町名と丁目だけで物件を絞り込んでいる限り目に入らない差が残っています。それが番地の差です。この記事では、祐天寺駅から徒歩20分圏の町について、実際に契約が成立した価格(成約価格)をもとに、その差がどこにあるのかを見ていきます。
現地の宅建士が実感する、祐天寺という街の性格
祐天寺は「駅前だけが便利な街」ではなく、駅からの距離帯ごとに性格がはっきり分かれる街です。駅のすぐ周りは祐天寺2丁目(祐天寺駅まで280m)、その外側に祐天寺1丁目(祐天寺駅まで462m)と上目黒4丁目(祐天寺駅まで535m)が続きます。
住んでいて実感するのは、この街が「祐天寺だけの街」ではないという点です。祐天寺1丁目は中目黒駅まで841mで、日常的にどちらの駅も使えます。中央町2丁目は祐天寺駅まで878m、学芸大学駅まで480mで、駅名だけを見て探していると視界に入りません。
祐天寺駅前の商店街は、暮らしの用が徒歩で完結する規模感が保たれており、休日に電車で買い物へ出なければ生活が成り立たない、という街ではありません。渋谷方面へも中目黒方面へも動きやすい位置にありながら、通りを1本入ると住宅地の静けさに変わる、という切り替わりの早さがこの街の性格です。
現役大家として推せる、祐天寺エリアの立地の強み
祐天寺エリアの一番の強みは、1つの町から複数の駅を実際に使えることです。物件情報では最寄り駅が1つしか表示されませんが、実際の生活で使える駅はもっと多い、というずれがこのエリアには生まれています。
複数の駅を使える町の実測値を並べます。
| 町 | 祐天寺駅まで | ほかに使える駅までの距離 |
|---|---|---|
| 上目黒4丁目 | 535m | 中目黒駅958m / 池尻大橋駅1647m / 学芸大学駅1467m |
| 中央町2丁目 | 878m | 学芸大学駅480m |
| 五本木3丁目 | 1111m | 学芸大学駅451m |
| 鷹番2丁目 | 1213m | 学芸大学駅262m |
大家の立場で見ると、こうした町は募集のときに強い一方で、ポータルサイト上では最寄り駅の名前でしか分類されないため、その強みが検索結果に出てきません。借りる側から見れば、これは探し方次第で拾える余地が残っているということです。
成約価格の5年間の動きにも、町ごとの差が出ています。中央町2丁目は2021年から2026年の5年間で+1.8%、中目黒5丁目は+3.0%、上目黒4丁目は+6.7%、祐天寺2丁目は+8.0%と落ち着いた動きです。一方で祐天寺1丁目は+19.8%、上目黒2丁目は+17.0%と、同じエリアの中でも上がり方がはっきり分かれています。落ち着いている町を選ぶという判断も、上がっている町の勢いを取るという判断も、どちらも成立します。
祐天寺エリアの「実際の成約価格」で見る家賃比較




このセクションの数字は、募集中の希望価格ではなく、実際に契約が成立した価格(成約価格)の平均です。SUUMOやHOME’Sに並んでいるのは現在募集中の希望価格で、交渉の余地があり、その価格で成約するとは限りません。発掘不動産が扱っているのは、成約した後の記録です。
祐天寺駅までの距離が近い順に、間取り別の成約価格を並べます。
| 町 | 祐天寺駅まで | 1R | 1K | 1LDK |
|---|---|---|---|---|
| 祐天寺2丁目 | 280m | 72,900円 | 82,500円 | 154,700円 |
| 祐天寺1丁目 | 462m | 77,100円 | 76,900円 | 159,700円 |
| 上目黒4丁目 | 535m | 77,900円 | 85,500円 | 153,300円 |
| 上目黒2丁目 | 859m | 91,400円 | 98,000円 | 160,700円 |
| 中央町2丁目 | 878m | 74,900円 | 81,700円 | 148,900円 |
| 中目黒5丁目 | 904m | 78,500円 | 76,300円 | 149,400円 |
| 上目黒5丁目 | 918m | 75,600円 | 79,500円 | 140,300円 |
駅から最も近い祐天寺2丁目の1Rが72,900円である一方、中目黒駅まで481mという位置にある上目黒2丁目の1Rは91,400円です。上目黒2丁目は中目黒駅至近という利便性がそのまま成約価格に表れており、どの駅を生活の軸に置くかで見え方が変わります。
同じ町の中で、番地によってこれだけ差がある
ここからが、町名と丁目だけの比較では出てこない部分です。㎡単価で見ると、同じ町の中でも番地によって次の差が出ています。
| 町(町の相場) | 番地 | その番地の㎡単価 | 町の相場との差 | サンプル |
|---|---|---|---|---|
| 祐天寺1丁目(3,739円/㎡) | 8番地 | 3,262円/㎡ | 12.8%安い | 成約6件・2棟 |
| 上目黒4丁目(3,916円/㎡) | 21番地 | 3,146円/㎡ | 19.7%安い | 成約21件・4棟 |
| 中央町2丁目(3,665円/㎡) | 23番地 | 2,814円/㎡ | 23.2%安い | 成約6件・3棟 |
いずれも2022年以降の成約実績です。1棟だけの特殊な事情で数字が動かないよう、複数棟・複数件の成約があるものに絞っています。
なぜこれらの番地が安いのか、その構造的な理由は現時点でまだ特定できていません。 道路付けなのか、建物の年代なのか、地形なのか、憶測で書くことはしません。今わかっているのは「事実として番地の間にこれだけの差がある」ということだけで、理由については今後掘り下げていきます。
視点を変えて、「初期費用」から「毎月の支払い」へ視野を広げる
仲介手数料の割引を探す動機は、住居費を抑えたいということのはずです。その目的を保ったまま、視野だけを契約時から入居後へ広げると、選択肢は一気に増えます。
理由は探し方の構造にあります。賃貸ポータルサイトの絞り込みは、町名と丁目という粒度までしか用意されていません。番地という粒度は検索条件に存在しないため、上の表にあるような同じ町の中の差は、どれだけ検索を繰り返しても結果に現れてきません。人を雇って成約実績を番地ごとに集計するのは採算に合わないため、この粒度は構造的に空白のまま残っています。掘り出し物件が生まれるのは、誰かが見落としたからではなく、そもそも誰も見ていない粒度だからです。
視野を駅の外周まで広げると、さらに選択肢が出てきます。
- 五本木3丁目(祐天寺駅まで1111m、学芸大学駅まで451m): 3番地は3,002円/㎡で、町の相場3,500円/㎡より14.2%安い水準です(成約6件・2棟)
- 下馬6丁目(祐天寺駅まで1624m、学芸大学駅まで803m): 4番地は3,045円/㎡で、町の相場3,667円/㎡より16.9%安い水準です(成約10件・4棟)
どちらも祐天寺駅を軸に探していると候補に挙がりにくい位置ですが、学芸大学駅から見れば徒歩圏です。「祐天寺で仲介手数料が無料の部屋」という条件だけで探すより、「祐天寺駅も学芸大学駅も使えて、番地単位で見たときに割安な部屋」という探し方のほうが、住んでいる間ずっと効き続けます。
仲介手数料の交渉は、住みたい部屋が決まってから最後にすれば十分です。順番としては、まず番地まで見て部屋を決めるほうが得るものが大きい、というのが現役大家としての実感です。
データについて: 本記事の距離は街区単位の位置情報にもとづく実測値、家賃は実際に契約が成立した価格(成約価格)の平均です。募集中の希望価格ではありません。個別のご相談窓口は現在準備中です。

