祐天寺で働く人の一人暮らし、結論から
祐天寺駅まで280mの祐天寺2丁目は、実際に契約が成立した価格の平均で1Rが72,900円、1Kが82,500円です。ただし隣接する祐天寺1丁目には、町の相場より12.8%安い番地が実在します。職場が祐天寺なら電車の乗車時間に縛られないため、駅からの近さより「どの番地か」を見て選ぶ余地が大きく残ります。
宅建士として日々この一帯の成約データを見ていると、「祐天寺勤務で一人暮らし」という条件は、部屋探しの前提そのものが変わる条件だと分かります。通勤で電車に乗らない、あるいは乗る日が限られるなら、多くの人が最優先にしている「駅から何分か」の優先度が下がるからです。そして駅からの近さを最優先にしなくてよくなった瞬間に、選べる範囲は町の単位ではなく番地の単位まで細かくなります。
このページで押さえておきたい事実を先に並べます。
- 祐天寺駅にいちばん近いのは祐天寺2丁目(祐天寺駅まで280m)。単身向けの成約価格の平均は1Rが72,900円、1Kが82,500円
- 次に近い祐天寺1丁目(祐天寺駅まで462m)は1Kが76,900円で、より駅に近い祐天寺2丁目の1K(82,500円)を下回る
- 駅からの距離の順番と、成約価格の順番は一致しない。上目黒4丁目(祐天寺駅まで535m)、中央町2丁目(祐天寺駅まで878m)、中目黒5丁目(祐天寺駅まで904m)のように、少し離れた町にも単身向けの価格が抑えられている町がある
- さらに細かく見ると、同じ町の中でも番地によって㎡単価が2割以上違う。上目黒2丁目の32番地は町の相場より43.5%安い
町の名前だけで探すと、この最後の一段が見えません。ここが、部屋探しでいちばん大きな差になります。
現地に住む宅建士が実感する、祐天寺という街の手触り
祐天寺駅の周辺は、駅からの距離が変わっても街の表情が急に変わらないのが特徴です。祐天寺2丁目(280m)から祐天寺1丁目(462m)、上目黒4丁目(535m)と歩いても、大通りで街が断ち切られる感覚が薄く、生活の延長線上のまま範囲が広がっていきます。
これは一人暮らしの部屋探しにとって、かなり実利のある性質です。駅から離れるほど暮らしの質が落ちていく街では、駅からの距離が実質的に唯一の判断軸になってしまいます。祐天寺の場合はその落ち方が緩やかなので、「駅からの近さ」以外の軸で選ぶ自由度が残ります。
駅を中心にした距離の並びを、実測値で置いておきます。
- 祐天寺2丁目: 祐天寺駅まで280m
- 祐天寺1丁目: 祐天寺駅まで462m
- 上目黒4丁目: 祐天寺駅まで535m
- 上目黒2丁目: 祐天寺駅まで859m
- 中央町2丁目: 祐天寺駅まで878m
- 中目黒5丁目: 祐天寺駅まで904m
- 上目黒5丁目: 祐天寺駅まで918m
- 上目黒3丁目: 祐天寺駅まで954m
- 中目黒3丁目: 祐天寺駅まで1078m
- 五本木3丁目: 祐天寺駅まで1111m
祐天寺で働く人にとって重要なのは、この並びが「通勤時間の順番」ではないという点です。職場が祐天寺の駅前や商店街沿いにあるなら、実際に毎日歩くのは家から職場までの線であって、家から駅までの線ではありません。上の並びのうち、駅の反対側に住めば駅までの距離と職場までの距離は一致しなくなります。
一方で、休日や出張、来客の送り迎えでは駅を使います。祐天寺勤務であっても駅からの距離をゼロにしてよいわけではなく、「最優先ではなくなる」というのが正確な言い方になります。
現役大家が太鼓判、祐天寺で一人暮らしをする人に推せるところ
祐天寺で一人暮らしをするなら、いちばん推せるのは「使える駅が祐天寺だけではない」ことです。中央町2丁目は祐天寺駅まで878m、学芸大学駅まで480m。五本木3丁目は祐天寺駅まで1111m、学芸大学駅まで451m。鷹番2丁目は祐天寺駅まで1213m、学芸大学駅まで262m。祐天寺勤務でも、休日の行動範囲は自然に広がります。
貸す側から見ていて感じるのは、この「2駅目」の有無が入居後の満足度をかなり左右するということです。平日の通勤で電車を使わない人ほど、休日にどこへ出やすいかが住み心地の印象を決めます。
祐天寺駅と別の駅を両方使える町を、実測値で挙げます。
| 町名 | 祐天寺駅まで | もう一方の駅まで |
|---|---|---|
| 祐天寺1丁目 | 462m | 中目黒駅まで841m |
| 上目黒4丁目 | 535m | 中目黒駅まで958m |
| 中央町2丁目 | 878m | 学芸大学駅まで480m |
| 上目黒3丁目 | 954m | 中目黒駅まで465m |
| 五本木3丁目 | 1111m | 学芸大学駅まで451m |
| 鷹番2丁目 | 1213m | 学芸大学駅まで262m |
もう一つ、借りる側にとって見逃せないのが価格の動き方の違いです。同じ祐天寺駅の徒歩圏でも、この5年間の成約単価の伸び方は町ごとにかなり違います。
- 中央町2丁目: 2021年→2026年の5年間で+1.8%
- 中目黒5丁目: 同じ5年間で+3.0%
- 上目黒4丁目: 同じ5年間で+6.7%
- 祐天寺2丁目: 同じ5年間で+8.0%
- 五本木3丁目: 同じ5年間で+8.2%
- 上目黒2丁目: 同じ5年間で+17.0%
- 祐天寺1丁目: 同じ5年間で+19.8%
- 上目黒3丁目: 同じ5年間で+32.6%
なお中目黒3丁目だけは、成約データが揃っている期間が他の町と異なり、2020年→2025年の5年間で-3.4%となっています。期間そのものが1年ずれているため、上の町々と横並びで比較できる数字ではない点に注意してください。この町の直近の年のデータは現在収集中です。
事実として言えるのは、上がり方が緩やかな町と、5年で3割以上動いた町が同じ駅の徒歩圏に同居しているということです。長く住むつもりの一人暮らしなら、入居時点の金額だけでなく、この動き方も見ておく価値があります。
祐天寺の「実際の成約価格」で見る家賃比較




ここから先の数字は、募集広告に出ている希望価格ではなく、実際に契約が成立した価格の平均です。SUUMOやHOME’Sなどのポータルサイトに並ぶのは、あくまで貸す側が「この金額で借り手を探しています」と出している募集価格で、交渉の余地があり、その金額のまま成約するとは限りません。以下は成約した価格そのものの記録なので、実際に払われた金額に近い数字になります。
祐天寺駅の徒歩圏、単身向けの成約価格
| 町名 | 祐天寺駅まで | 1R | 1K | 1DK |
|---|---|---|---|---|
| 祐天寺2丁目 | 280m | 72,900円 | 82,500円 | 101,900円 |
| 祐天寺1丁目 | 462m | 77,100円 | 76,900円 | 98,400円 |
| 上目黒4丁目 | 535m | 77,900円 | 85,500円 | 103,800円 |
| 上目黒2丁目 | 859m | 91,400円 | 98,000円 | 116,600円 |
| 中央町2丁目 | 878m | 74,900円 | 81,700円 | 97,200円 |
| 中目黒5丁目 | 904m | 78,500円 | 76,300円 | 92,800円 |
| 上目黒5丁目 | 918m | 75,600円 | 79,500円 | 96,200円 |
| 上目黒3丁目 | 954m | 94,300円 | 98,700円 | 113,600円 |
| 中目黒3丁目 | 1078m | 79,800円 | 79,400円 | 95,800円 |
| 五本木3丁目 | 1111m | 79,300円 | 79,300円 | 85,300円 |
表を上から下へ眺めると、駅に近い順に価格が並んでいないことがすぐ分かります。祐天寺駅まで280mの祐天寺2丁目の1Kは82,500円ですが、祐天寺駅まで904mの中目黒5丁目の1Kは76,300円、祐天寺駅まで462mの祐天寺1丁目の1Kは76,900円です。1DKで見ると、いちばん低いのは祐天寺駅まで1111mの五本木3丁目で85,300円でした。
もう少し広い部屋も検討するなら、祐天寺2丁目の1LDKが154,700円、1DKが101,900円です。単身でも在宅の仕事が多いなら、1Kと1DKの差は生活の質に直結します。
ここからが本題、番地単位で見た成約単価
町単位の表は、ポータルサイトでも似た情報にたどり着けます。ここから先が、成約価格の記録を番地まで下ろして集計しないと出てこない数字です。
同じ町の中でも、番地によって㎡あたりの成約単価はここまで違います。
| 町名 | 町の相場(㎡単価) | 番地 | その番地の㎡単価 | 町の相場との差 | 成約実績 |
|---|---|---|---|---|---|
| 上目黒2丁目 | 4,150円/㎡ | 32番地 | 2,345円/㎡ | 43.5%安い | 7件・2棟 |
| 上目黒3丁目 | 4,619円/㎡ | 42番地 | 3,371円/㎡ | 27.0%安い | 16件・5棟 |
| 中央町2丁目 | 3,665円/㎡ | 23番地 | 2,814円/㎡ | 23.2%安い | 6件・3棟 |
| 上目黒4丁目 | 3,916円/㎡ | 21番地 | 3,146円/㎡ | 19.7%安い | 21件・4棟 |
| 中目黒3丁目 | 3,665円/㎡ | 6番地 | 3,020円/㎡ | 17.6%安い | 15件・3棟 |
| 五本木3丁目 | 3,500円/㎡ | 3番地 | 3,002円/㎡ | 14.2%安い | 6件・2棟 |
| 祐天寺1丁目 | 3,739円/㎡ | 8番地 | 3,262円/㎡ | 12.8%安い | 6件・2棟 |
祐天寺駅にいちばん近い側で見ると、祐天寺1丁目には割安な番地が1つではなく複数あります。
- 8番地: 3,262円/㎡(町の相場より12.8%安い、成約6件・2棟)
- 17番地: 3,275円/㎡(町の相場より12.4%安い、成約6件・2棟)
- 11番地: 3,309円/㎡(町の相場より11.5%安い、成約16件・2棟)
上目黒3丁目も同様に、42番地(3,371円/㎡、27.0%安い、成約16件・5棟)、43番地(3,551円/㎡、23.1%安い、成約9件・6棟)、22番地(3,570円/㎡、22.7%安い、成約5件・3棟)と続きます。
なぜこれらの番地が安いのか、その構造的な理由はまだ特定できていません。建物の年式なのか、前面の道路の条件なのか、区画の形なのか、現時点で断定できる材料がないため、ここでは理由を推測せず「事実として番地の間にこれだけの差がある」ことだけをお伝えします。理由の特定は今後掘り下げていきます。
なお、祐天寺駅にもっとも近い祐天寺2丁目については、番地ごとの傾向として示せるだけのデータがまだまとまっていません。数字が揃い次第、このページにも反映します。
少し視点を変えて、「祐天寺で働く一人暮らし」の選択肢を広げる
部屋探しのサイトで見つからない物件があるのは、その物件が存在しないからではなく、検索の条件そのものが物件を切り落としているからです。ポータルサイトの徒歩条件は「5分以内」「10分以内」「15分以内」という刻みで用意されているため、徒歩16分になった瞬間、その物件は多くの人の検索結果から一斉に消えます。見る人が減れば需要も減り、貸す側は価格を下げて借り手を探すことになります。
この構造は、祐天寺で働く一人暮らしの人にとって、そのまま追い風になります。通勤で電車を使わない、あるいは使う日が限られるなら、そもそも「駅から徒歩◯分以内」という絞り込み自体が自分の条件と噛み合っていないからです。多くの人が同じ刻みで探している場所を避けるだけで、競争の少ない側に回れます。
そして、もう一段深いところにもう一つの空白があります。番地という粒度は、どのポータルサイトの検索条件にも存在しません。町名や丁目だけで絞り込む探し方では、上目黒2丁目の32番地(町の相場より43.5%安い)のような差は、そもそも結果として画面に出てきません。町の平均だけを見て「この町は自分には届かない」と判断してしまうと、その町の中にある割安な番地ごと候補から外れてしまいます。
祐天寺勤務で一人暮らしの部屋を探すなら、順番はこうなります。
- 職場からの実際の歩きやすさで、住む方角のあたりをつける
- 町単位の成約価格で、無理のない範囲を絞る(上の家賃比較の表)
- その町の中で、割安な番地が出ている区画から物件を探す
- 駅からの距離は、休日にどれだけ使うかで重み付けを決める
3番目の工程を持っているかどうかが、同じ予算で借りられる部屋を変えます。
発掘不動産では、中目黒・祐天寺・学芸大学・池尻大橋の一帯について、実際に契約が成立した価格の記録を番地まで下ろして集計し続けています。個別の物件のご相談を受け付ける窓口は現在準備中です。準備が整い次第、このサイトでお知らせします。

