学芸大学の賃貸1LDK、実際の成約価格でわかる「番地ごとの差」

学芸大学の賃貸1LDK、実際の成約価格でわかる「番地ごとの差」 学芸大学

学芸大学で1LDKを探すなら、町ではなく番地で見る(結論)

学芸大学駅周辺で1LDKを探すとき、最初に見るべきは町名ではなく番地です。同じ町の中でも、実際に契約が成立した価格(成約価格)の1平方メートルあたり単価は番地によって1〜3割ちがい、目黒本町2丁目22番地では町全体より33.2%安い水準で契約が成立しています。

町名や丁目の相場は、大手ポータルサイトを開けば誰でも見られます。私たちが出せるのは、その一段下——番地単位の数字です。学芸大学駅は東急東横線の各駅停車駅で、駅を中心に鷹番・中央町・五本木といった住宅地が広がり、南西には世田谷区下馬、東には目黒本町や中町が続きます。1LDKの成約価格の平均は、駅から262mの鷹番2丁目で146,100円、451mの五本木3丁目で136,700円と、駅からの距離の順番どおりには並びません。

この記事では、宅建士として現地の物件を見てきた立場から、学芸大学の1LDKを次の順で整理します。

  • 学芸大学というエリアが1LDKの住まいとしてどういう性格を持っているか
  • 貸す側から見て、このエリアのどこが評価できるのか
  • 実際の成約価格でみた町ごとの1LDK比較と、番地単位の割安ゾーン
  • 駅からの距離を広げたとき、選択肢がどう変わるか

現地住民の宅建士が教える、学芸大学の「実感しているエリア特性」

学芸大学は、駅前の商店街から数分歩くと低層の住宅地に切り替わる構造の街です。1LDKを借りる層にとっては、駅近の利便性と住宅地の静けさのどちらを取るかを、町単位ではなく番地単位で選べる余地が大きいエリアです。

駅のすぐ北東にある鷹番2丁目は学芸大学駅まで262m、鷹番3丁目は331mで、この2つの町は駅の生活圏をほぼそのまま享受できる位置にあります。一方、駅の南側に広がる中央町2丁目(480m)・中央町1丁目(578m)、西側の五本木3丁目(451m)・五本木2丁目(672m)は、駅まで歩ける距離にありながら、住宅地としての落ち着きが残ります。

さらに外側に目を向けると、世田谷区側の下馬6丁目が学芸大学駅まで803m、下馬5丁目が920m。目黒区側では目黒本町2丁目が954m、中町2丁目が968mと、駅の生活圏がそのまま続きます。学芸大学駅は東横線の各駅停車のみが停まる駅ですが、祐天寺2丁目(学芸大学駅まで1076m、祐天寺駅まで280m)のように、2つの駅を使い分けられる位置の町も生活圏に含まれます。

1LDKという間取りで見ると、この街の性格が数字にも表れます。単身から二人暮らしまでを想定した1LDKは、学芸大学エリアで最も選択肢が厚い間取りのひとつで、駅まで歩ける町の成約価格は136,700円(五本木3丁目)から159,800円(下目黒6丁目)の範囲に収まっています。町を1つ隣に変えるより、同じ町の中で番地を変えるほうが、結果として条件の差が大きくなることがあります。

現役大家が太鼓判!学芸大学の推せるポイント

貸す側から見た学芸大学エリアの評価点は、成約価格が長期的に下がっていない一方で、上昇の速度が町によってはっきり分かれていることです。借りる側にとっては、上昇が緩やかな町を選べば、同じ間取り・同じ距離帯でも負担を抑えた契約ができます。

学芸大学駅の生活圏にある町の、2021年から2026年までの5年間の成約価格の推移は次のとおりです。

町 学芸大学駅までの距離 5年間の推移
中央町2丁目 480m +1.8%
五本木3丁目 451m +8.2%
鷹番2丁目 262m +11.5%
中央町1丁目 578m +14.5%
五本木2丁目 672m +14.0%
碑文谷6丁目 684m +14.4%
目黒本町2丁目 954m +20.9%
鷹番3丁目 331m +21.8%
下馬5丁目 920m +26.2%
鷹番1丁目 587m +26.6%
下馬6丁目 803m +30.9%

同じ駅の同じ距離帯でも、5年間の動き方はここまで異なります。中央町2丁目の+1.8%と下馬6丁目の+30.9%は、それぞれ学芸大学駅まで480m・803mの町の数字です。駅からの距離だけで町を絞り込むと、この差は見えません。

貸す側の立場で言えば、上昇が緩やかな町は、建物の年数や設備の条件が価格に素直に反映されやすい町でもあります。借りる側にとっては、条件を吟味した分だけ結果が返ってくるエリアと言い換えられます。

学芸大学の「実際の成約価格」で見る1LDK家賃比較

目黒区目黒本町2丁目 家賃相場の推移(㎡単価)
目黒本町2丁目 家賃相場の推移(㎡単価)
目黒区鷹番2丁目 家賃相場の推移(㎡単価)
鷹番2丁目 家賃相場の推移(㎡単価)
目黒区五本木3丁目 家賃相場の推移(㎡単価)
五本木3丁目 家賃相場の推移(㎡単価)
目黒区鷹番3丁目 家賃相場の推移(㎡単価)
鷹番3丁目 家賃相場の推移(㎡単価)

学芸大学駅周辺の1LDKは、駅から262mの鷹番2丁目で146,100円、451mの五本木3丁目で136,700円です。以下の数字はすべて、募集中の希望価格ではなく、実際に契約が成立した価格の平均です。

ポータルサイトに並んでいるのは、貸す側が「この金額で借り手を探したい」と出している募集価格で、交渉の余地があり、その金額のまま契約が成立するとは限りません。私たちが持っているのは、実際に契約が成立した価格の記録です。同じ「相場」という言葉でも、意思決定に使えるのは後者です。

学芸大学駅からの距離順・1LDKの成約価格

町 学芸大学駅までの距離 1LDKの成約価格(平均)
鷹番2丁目 262m 146,100円
鷹番3丁目 331m 156,900円
五本木3丁目 451m 136,700円
中央町2丁目 480m 148,900円
中央町1丁目 578m 140,700円
鷹番1丁目 587m 158,800円
五本木2丁目 672m 137,400円
碑文谷6丁目 684m 152,600円
下馬6丁目 803m 156,800円
下馬5丁目 920m 152,500円
目黒本町2丁目 954m 149,700円
中町2丁目 968m 146,100円
中町1丁目 1026m 139,500円
五本木1丁目 1048m 139,300円
祐天寺2丁目 1076m 154,700円
目黒本町1丁目 1089m 155,900円

駅まで451mの五本木3丁目(136,700円)より、587mの鷹番1丁目(158,800円)のほうが成約価格は上です。距離が近いほど高い、という単純な並びにはなっていません。

番地単位で見ると、同じ町の中に差がある

ここからが、町丁目の相場表では見えない部分です。同じ町の中で、成約価格の1平方メートルあたり単価を番地ごとに集計すると、町全体の水準から大きく離れた番地が存在します。

町 番地 その番地の単価 町全体の単価 割安率 集計対象
目黒本町2丁目 22番地 2701円/m2 4042円/m2 33.2%安 成約11件・5棟
目黒本町2丁目 22番地 2701円/m2 4042円/m2 33.2%安 成約18件・2棟
下馬5丁目 9番地 2410円/m2 3400円/m2 29.1%安 成約9件・2棟
中央町2丁目 23番地 2814円/m2 3665円/m2 23.2%安 成約6件・3棟
中央町2丁目 23番地 2814円/m2 3665円/m2 23.2%安 成約21件・5棟
中町2丁目 49番地 2894円/m2 3591円/m2 19.4%安 成約5件・4棟
中町2丁目 49番地 2894円/m2 3591円/m2 19.4%安 成約11件・4棟
下馬4丁目 7番地 2708円/m2 3270円/m2 17.2%安 成約7件・2棟
下馬6丁目 4番地 3045円/m2 3667円/m2 16.9%安 成約10件・4棟
下馬6丁目 4番地 3045円/m2 3667円/m2 16.9%安 成約5件・2棟
下馬6丁目 4番地 3045円/m2 3667円/m2 16.9%安 成約6件・2棟
中央町1丁目 15番地 3075円/m2 3632円/m2 15.3%安 成約22件・2棟
五本木3丁目 3番地 3002円/m2 3500円/m2 14.2%安 成約6件・2棟
鷹番3丁目 4番地 3488円/m2 4007円/m2 13.0%安 成約11件・3棟

いずれも2022年以降に実際に契約が成立した価格の集計で、単価は真ん中の値です。1棟だけの数字ではなく、複数の建物にまたがって同じ傾向が出ている番地を挙げています。

なぜこれらの番地が町全体より安いのか、その構造的な理由は現時点では特定できていません。ここで理由をもっともらしく説明することはできますが、それは私たちが確かめた事実ではないため書きません。確かなのは「同じ町の中に、これだけの差が事実として存在する」という一点です。理由の解明は今後の掘り下げの対象とします。

なお、鷹番1丁目・鷹番2丁目・五本木1丁目・五本木2丁目・碑文谷6丁目・目黒本町1丁目・中町1丁目・祐天寺2丁目については、成約が1棟に集中しているか、番地の特徴として語れるだけのデータが揃っていません。これらの町は現在もデータを収集中で、実数のない推測は記載しません。

少し視点を変えて、学芸大学の1LDKをより広い視野で見る

学芸大学駅から1232m以上離れた町まで対象を広げると、番地単位の割安幅はさらに大きくなります。上目黒2丁目32番地は町全体より43.5%安く、下目黒5丁目22番地は20.3%安い水準で契約が成立しています。

ここで、ポータルサイトの構造上の盲点に触れておきます。賃貸ポータルの検索条件は駅からの徒歩の分数で刻まれており、その刻みを1分でも超えた物件は、多くの利用者の検索結果から一斉に消えます。物件の質が落ちたわけではなく、検索条件の枠から外れただけです。見る人が減れば需要が減り、需要が減れば価格は下がります。これが、駅から少し離れた範囲に価格の窪みが生まれる仕組みです。

学芸大学駅を起点に、この「検索結果から消える帯」に入る町の1LDKと番地データを並べると次のようになります。

町 学芸大学駅までの距離 1LDKの成約価格 番地単位の割安
下馬4丁目 1232m 140,800円 7番地が17.2%安
下目黒6丁目 1336m 159,800円 20番地が17.1%安
下馬1丁目 1398m 148,600円 27番地が19.2%安、54番地が17.8%安
下馬3丁目 1435m 133,600円 24番地が12.7%安
祐天寺1丁目 1436m 159,700円 8番地が12.8%安、17番地が12.4%安、11番地が11.5%安
中目黒5丁目 1422m 149,400円 番地データは収集中
上目黒5丁目 1659m 140,300円 番地データは収集中
下目黒5丁目 1726m 149,600円 22番地が20.3%安
上目黒2丁目 1828m 160,700円 32番地が43.5%安、21番地が17.9%安、25番地が15.3%安
中目黒3丁目 1830m 174,300円 6番地が17.6%安

この帯にある町は、学芸大学駅だけでなく他の駅も生活圏に入ります。下馬1丁目は中目黒駅まで1738m、祐天寺1丁目は祐天寺駅まで462m、上目黒2丁目は中目黒駅まで481m・祐天寺駅まで859mです。学芸大学駅からの距離だけで判断すると遠く見える町が、別の駅から見れば駅近の町になります。

視野の広げ方は2段階です。1つめは駅からの距離を広げること、2つめはその範囲の中で番地まで下りること。この2つを組み合わせると、上目黒2丁目32番地(43.5%安)のように、町の相場表だけを見ていては存在にすら気づけない選択肢が出てきます。

  • 学芸大学駅の徒歩圏を優先するなら、五本木3丁目(451m・136,700円)や中央町1丁目(578m・140,700円)のように、駅近でありながら成約価格が抑えられている町から番地を絞る
  • 間取りと広さを優先するなら、下馬3丁目(1435m・133,600円)や下馬4丁目(1232m・140,800円)まで範囲を広げ、割安な番地を狙う
  • どちらの場合も、町の相場ではなく番地単位の成約価格を判断材料にする

学芸大学エリアの番地単位データは今後も更新していきます。「なぜこの番地が安いのか」の構造的な解明と、まだ番地の特徴を語れるだけの成約データが揃っていない町の収集が、現在の課題です。個別のご相談窓口は現在準備中です。準備が整い次第、このサイトでお知らせします。

本記事で用いた一次データの出典

  • 駅からの距離: OSM道路網(OpenStreetMap)+ダイクストラ法にもとづく道路距離(全記事共通の算出方式に統一)

この記事を書いた人

Yohei

宅地建物取引士 / 現役の賃貸物件オーナー(大家)

中目黒・祐天寺・学芸大学・池尻大橋・三宿・三軒茶屋のエリアに特化。現役の賃貸物件オーナーとして活動し、宅地建物取引士でもある。当サイトでは、エリアの番地ごとに賃貸物件情報をまとめ、賃貸物件ごとに「平均㎡単価・主要駅からの距離・築年数」の情報を集計し発信しています。

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